【ハイチ】ハイチ大地震:緊急支援から復興の進歩と課題、そして今後の活動
2021年8月のハイチ大地震からもうすぐ半年が経とうとしています。地震の影響を受けた地域において65万人以上が緊急人道支援を必要とする中、現在までにハイチ政府と人道支援団体は50万近くの被災者に対して食料、水、緊急キット、医療などの支援をしてきました。一方で、深刻な燃料危機とギャングによる暴動という大きな課題に直面し、私たちピースウィンズ・ジャパン(以下、PWJ)をはじめほとんどの人道支援団体は、支援を必要としている人がまだ多くとり残されているにも関わらず、なかなか支援活動を進めることができないというもどかしい思いをしてきました。
ですが、新しい年が明けた2022年1月より状況が少しずつ落ち着きを見せ、ハイチ政府や人道支援団体により、避難所への支援や生計手段、教育、基本的な医療サービスの提供などが始まるようになってきました。なかでもコミュニュティを巻き込んだ活動が促進されています。PWJも、昨年の終わりごろから徐々に活動を再開し、ハイチ地震被災地の復旧・復興のため現在下記の活動を行っています。
地震被災者への緊急物資配付を通した衛生環境改善
ハイチ地震発生後、水衛生環境悪化により流行するコレラ等の感染症や新型コロナウイルス感染症から被災者を守るため、株式会社フェリシモの「地球村の基金」からの助成を受け、250世帯に対して衛生キットを2021年12月27日に配付し、衛生知識に関する啓発活動を衛生キット配付前に予防対策の一環として行いました。なお、支援場所は震源地に近いキャンプペリ・コミューンで、以前にもPWJは水タンクを設置しています。
https://global.peace-winds.org/activity/haiti/20393
今回の衛生キットで配付したものは、バケツ1個、石鹸6個、洗濯石鹸2個、歯ブラシ5個、歯磨き粉2個、トイレットペーパー5個、生理用ナプキン1個、使い捨てマスク5個、消毒スプレー1個です。配付後もモリタリングをし、配付した衛生キットが正しく使用できているかの確認も行いました。啓発活動では、汚染や感染に関する知識、水処理や安全な水の使用、手洗いの方法、衛生環境に関する知識、マスクの使用方法などに関して、PWJスタッフの水衛生ファシリテーターが中心に呼びかけ、住民の衛生に関する意識を高めました。
住民や特に子ども達が、配付した衛生キットを正しく使い、適切な衛生行動や感染症予防行動がとれるようになることで、衛生的な生活を送れるようになったり、子どもたちが感染症に罹るリスクが減り、安心して学校に行けたりするようになることが期待されます。
衛生キットをボランティアと一緒に詰める様子。
配付当日の様子。配布前にお祈りをするPWJスタッフと住民。
衛生キットの配付時、対象者がクーポンと物資を引き替えて受取サインをする様子。
衛生キットを対象者に配付する様子。
今後のハイチでの活動
今後も被災地の復旧・復興に向けた活動を引き続き実施するべく、年明けから被災者のニーズや被災地の現状を調査しています。被災地のどこの場所に物資が不足しているか、他の団体がどのような活動をして今までにどのような物資を配布したかなど、支援が重複しないよう調整をしています。
ニーズ調査では、障害者施設でも被害が深刻であることがわかってきました。障害者施設では今回の地震により椅子、事務所備品などが破損してしまい、物資が不足しています。加えて、支援物資へのアクセスが難しく、食料不足による健康上の問題も発生しています。そのため、PWJは来月2月に食料、車いす、杖、義足等の補助道具等を配付する準備をしています。
また、遠隔地では基礎インフラが整っていない地域が多く、電気の供給も少なく、生活が困難な状況が続いています。住民は自給自足で、必要な生活物資は地域内で物々交換などにより手に入れる生活をしているので、災害後、交換する物がなくなり、収入源はなく、生計を維持することが大変困難な状態になっています。今後も災害が起きる可能性もある中、住民の防災に関する知識は十分であるとは言えません。こうした地域に対する支援として、PWJは、地元女性グループに対する持続的な組織運営能力や生計向上、防災知識向上のための支援活動を通し、今後継続的に女性グループが地域の生計向上に貢献し、地域においてリーダシップを発揮し、地域全体の早期災害復興を率いていくことを目指した活動を準備しています。
PWJハイチチームが今後の計画等のミーティングを行う様子。
写真⑧障害者施設でPWJスタッフが聞き取り調査をする様子。
ハイチでは昨年7月、大統領が暗殺され、大統領が不在のまま、年明け1月1日には首相暗殺未遂事件もあり、政治的に不安定な状況が続いています。また相次ぐ自然災害と犯罪組織による事実上の支配地域があるなど、人々が安心して暮らせる兆しがまだ見えません。それでもPWJは、支援を必要とする人のために、ハイチの復興のために、取り組みを続けていきます。日本の皆さまからも引き続き応援いただけると幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
■ハイチ支援寄付
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口座番号:00160-3-179641
口座名義:特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン
通信欄 :「ハイチ支援寄付」と明記してください。
■銀行でのお振込
三井住友銀行 青山支店
口座番号:普通 1671932
口座名義: 特定非営利活動法人 ピース ウィンズ・ジャパン広報口
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特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は広島県により認定された「認定NPO法人」です。
ピースウィンズ・ジャパンへの寄附は、寄附金控除の対象となります。
https://global.peace-winds.org/support/deduction
ピースウィンズ・ジャパン寄附金等取扱規程(2021年3月19日適用開始)
https://global.peace-winds.org/support/pdf/A13kihukin_20210319.pdf