バムとイランデガンで待望の新校舎が完成
2003年12月に発生したバム地震後、イランで活動を続けてきたピース ウィンズ・ジャパン(PWJ)は、支援の一環として地震の被災地バムと、貧困や劣悪な教育環境が課題となっていたイランデガンで、耐震性のある学校の建設を進めてきました。いずれの学校も工事が終了し、地元の政府関係者や教育関係者が出席してこのほど完成式を相次いで行いました。
バム市のシャヘッド小学校のオープニングセレモニーは2月5日。PWJスタッフのヤズダンが学校建設についての説明を行なった後、バラニ校長やバム教育省のハフェジアン・アバディ長官らがスピーチを行いました。なかでも、アバディ長官は「PWJによって建設されたシャヘッド小学校の施設は、バム地域のなかでも最も優れたものの一つであり、大変にすばらしい」と絶賛しました。
写真左:被災地バムにできた立派な新校舎
写真右:完成のセレモニー。右はPWJが設置した仮設校舎
(C)Peace Winds Japan
イランの学校建設は政府機関ノサジが担当しますが、テヘランとケルマンにあるノサジからは、PWJとPWJの日本人スタッフに感謝状が贈られました。続いて、児童たちによる出し物が披露され、セレモニーは終了しました。
翌2月6日には、イランデガンの学校で、バメリ・ハッシュ州知事、カーキ・ノサジ技術部門長、地元シスタン・バルチスタン州の政府関係者らが出席して、盛大な完成式が行われました。
イランデガンの荒野に建つ学校
(C)Peace Winds Japan
学校に対する地域の期待の大きさを示すように、多くの招待者や地元住民を含め、セレモニーには約500人が詰め掛けました。大勢の子どもたちも集まったため、校長と話し合い、式に先立って子どもたちに施設内を見学してもらい、教師の経験を持つPWJスタッフのヤズダンが、男子クラス、女子クラスでそれぞれ模擬授業を行いました。
その後、正門前でコーラン朗読などが行なわれた後、カーキ・ノサジ技術部門長によるテープカットがあり、参加者たちができあがったばかりの施設を見学しました。来賓によるスピーチの後、施設の引き渡しを象徴してPWJから校長に学校のキーを手渡す儀式を行いました。バムの学校同様、関係者からPWJとPWJのスタッフに感謝状が贈られました。
写真左:模擬授業で笑顔を見せる女子学生
写真右:PWJスタッフの大久保から鍵を手渡す
(C)Peace Winds Japan
PWJイラン駐在スタッフの大久保信寛は「子どもたちがみんな、新しい学校、新しい教室で勉強できる喜びを体一杯に表現してくれました。いろいろな苦労もありましたが、子どもたちが勉強するための快適な環境を提供できたことに最高の喜びを感じました」と話しています。
セレモニーの終わった学校では、さっそく翌日から、新校舎を使って授業が行われています。
※PWJのイラン支援事業は、ジャパン・プラットフォームの協力も得て進めています。また、イランデガンでの学校建設は、日本政府のNGO支援無償の助成を受けています。