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私たちの活動

イラク北部ニネワ州シェハン地区タクハマ村の水事業が終了

2009年2月から、ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)がイラク北部で実施している水に関連した5つの支援事業のうち、「ニネワ州シェハン地区タクハマ村水事業」が2009年4月末で完了しました。1970年代に設置され故障して使えなくなっていた水道ポンプの交換と発電機の設置を行い、村内の家庭に再び水が供給されるようになりました。

イラク北部の村の水道は、地下150〜200メートルまで掘り下げた深井戸から電動ポンプで水をくみあげ、その水をいったんタンクにためた後に各家庭に配布する方式が一般的です。タクハマ村の水道も同様の方式でした。
しかし、水自体はあったものの、これまでは村全体(人口約130人)に必要な水量をためることができませんでした。旧式のポンプでは、ポンプを5時間以上動かさなければ必要な量はたまらないのに電気は1日に2時間から3時間程しか供給されず、さらに電力が弱いためポンプを十分に動かすことができなかったのです。彼らの収入源でもある家畜用の水も必要なため、村は慢性的に水不足の状態でした。そのためPWJは、ポンプを新しいものに交換すると同時に、発電機も設置しました。

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ポンプの設置作業
(C)PWJ/Masatoshi KAKUMEN

事業完成により、タクハマ村の住民は生活するために十分な水を手に入れることができるようになりました。村の代表者は「安心して暮らせるようになった」と話します。水不足を改善してほしいと、いくら行政に訴えてもなかなか聞き入れてもらえなかったため、村の代表者としてとても肩身の狭い思いをしていたようです。発電機の燃料は地元の水道局から提供される予定なのですが、まだ供給されていないため、村でお金を集めて発電機の燃料を購入し、ポンプの利用を始めました。

タクハマ村での聞き取り

タクハマ村での聞き取り
(C)PWJ/Masatoshi KAKUMEN

シェハン地区は、現在イラクで課題となっている地域の一つです。行政管轄はニネワ州政府に属しますが、地域の人口構成やこれまでの経緯から、クルド自治政府が治安維持にあたっています。地域の帰属がはっきりしないため、地域の開発はあまり進まず、人びとの生活はなかなか改善されていません。PWJはこれらのギャップを埋めるため、同地域での支援活動を引き続き実施していきます。
※イラク北部での水関連事業は、国際移住機関(IOM)の協力も得て進めています。

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