【東アフリカ干ばつ】支援実施に向けて準備を開始
ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、10月9日から約2週間の日程で、ケニア北東州の干ばつ被害の現地調査を実施しました。現在、支援事業の実施に向けて準備を進めています。
写真左:干上がった井戸を見る山本
写真右:コミュニティから聞き取りをする西野
(c)Peace Winds Japan
アフリカ東部の半乾燥地帯である地域(ソマリア、エチオピア南部、ケニア北部)では、これまでにも干ばつによる飢饉が繰り返し発生し、人道支援が必要とされてきました。
最近は、干ばつの起こるサイクルが年々短くなっていると言われています。この地域に暮らす多くの人びとは、ヤギや牛・ラクダの遊牧により生計を立てていますが、昨年から続く干ばつにより深刻な水不足となり、家畜が減少したため、遊牧生活を捨てて町に避難する難民が発生しました。
特に被害の大きかったソマリアでは、今年7月から8月のピーク時には毎日1300人を超えるソマリア人が、ケニアやエチオピアにある難民キャンプに流入しました。ケニアにあるダダーブ難民キャンプでは、今年初めの時点で約30万人の難民が暮らしていましたが、現在は約50万人にもふくれ上がっています。
写真上:キャンプの登録所の様子
写真下:配給の食糧を受け取る親子
(c)Misa Maeda
ソマリアからキャンプに着いた人びとは、難民登録所で登録をし、当面に必要な食糧やテントを受け取ります。PWJ調査チームが訪問したケニアのダダーブ難民キャンプは、ソマリアへの多国籍軍展開により発生した難民を1992年に受け入れるために開かれました。すでに20年以上も難民キャンプで生活している人びとも多くいます。
今回は干ばつだけが原因ではなく、ソマリア国内の政情不安がすぐには解決しそうにないことや、家畜を失って遊牧生活ができなくなった人びとの生活再建に時間を要することなどから、事態が長期化することが予想されます。
キャンプ内の家
(c)Misa Maeda
キャンプの子どもたち
(c)Misa Maeda
難民となった人びとの住居に関しては、テントをはじめ、枝を丸くたわめたドーム型の家、泥で壁を塗りトタン屋根の家などもあります。また、キャンプ内には学校もありますが、急増した人口に対して対応がしきれていません。
PWJは、難民キャンプ内でのシェルター(住居)の資材提供などの支援を中心に、キャンプおよび周辺地域における教育支援などの実施を計画しています。