【東アフリカ干ばつ】難民キャンプの厳しい生活環境改善へ
ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、ソマリア国内の内戦を逃れ、干ばつのために住む場所を失い、ダダーブ難民キャンプへ避難してきた人びとのおかれた状況を一刻も早く改善するため、住宅(シェルター)を建設する事業を今年2月から開始しています。
ケニアの北東州、ソマリアとの国境から西に約80kmの位置にあるダダーブ。日中の気温は40度を超え、熱気により土埃が舞っています。2月20日に、ナイロビからUNHCRのプロペラ機に乗り、ダダーブの滑走路に着陸しました。砂漠のような風景を想像していましたが、緑の葉の茂る丈の低い植物が生えていました。見渡す限り赤い土が広がるこの町には世界最大の難民キャンプがあります。ソマリアの内戦による難民流出に加え、広範囲に及び、かつ長期にわたる干ばつが追い打ちをかけ、住む場所を無くしてキャンプに流入した難民の生活環境を改善することが、今回のPWJ事業の目的です。
上空から見たダダーブ難民キャンプ
(C)IOM/UNHCR photographer:Brendan Bannon
UNHCRが提供している難民の住むテント
(C)PWJ
キャンプ内はとても劣悪な環境です。より近場で生活用水を提供するために井戸を作っても、爆発的に増えた居住エリアの広がりに追いつかない状態です。そのほか、医療、食料、教育などの面でも、支援が十分に足りていないのが現実です。
キャンプではUNHCRの白いテントが果てしなく広がり、見渡すことができないほどです。高温で乾燥した気候により、劣化し、破損しているテントがいたるところで目に付きます。刺さるように痛い太陽の日差しをさえぎるものもなく、土埃の入るテントではとても落ち着けるものではありません。そのため、テントに代わる、より丈夫な住宅(シェルター)の建設が急務となっているのです。
そんな厳しい環境の中でも、私がキャンプを訪れたとき、子どもたちはみな微笑んで、とても気さくに声をかけてくれたことが今も強く印象に残っています。
子どもたちの笑顔
(C)PWJ
PWJは、このシェルター事業を通じ、キャンプ内で暮らす難民の人びとが少しでも快適に生活できる環境を整えるために努力を続けています。
報告:公地崇裕(ケニア駐在)