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私たちの活動

【モンゴル】一歩一歩成長する子どもたち

ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、モンゴルで貧困や家庭の事情のために保護者のもとで暮らすことができない子どもたちの支援を続けています。1997年から児童保護施設「ホッタイル」を運営し、運営終了後の2006年からは「ベルビスト・ケアセンター」(VCC)を通じて現在3人の子どもたちをサポートしています。今回は、モンゴルの社会情勢も交えながら、センターで暮らす一人の女の子を紹介します。
●モンゴルのストリートチルドレン
今から25年前の1989年に旧ソ連が崩壊し、モンゴルではそれまでの社会主義から資本主義へと移行しました。資本主義へと移行するに従って、政府による社会福祉や教育サービスは大幅に削減され、貧困層が増加しました。こうした影響により経済的困窮から子育てが出来なくなった親や、アルコール中毒に陥る親が増え、結果的に都市部を中心にストリートチルドレンが生まれていきました。冬はマイナス30度になると言われるモンゴルで、子どもたちはマンホールの中やビルの軒下や廊下などで寝泊まりをしていました。

モンゴル
マンホールの中で生活する子どもたち

こうした状況を受けて、PWJをはじめ世界中の支援団体がストリートチルドレンの保護に動き出しました。その後、状況は改善されましたが、今でも保護施設で生活する子ども達は少なくありません。今回紹介するツーヤもその内の一人です。
●ツーヤという女の子
彼女は生後2か月で孤児として診療所に引き取られ、3歳の時にPWJが運営するホッタイルにやって来ました。来た当初は体が小さく大人しい印象でしたが、今年13歳になる今では、みんなのお姉さんとして幼い子ども達からも慕われています。学業においても、私立学校に通う7年生(日本の中学1年生)ですが、優秀な成績を収めています。

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友達に囲まれるツーヤ(写真中央)

 

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笑みを浮かべるツーヤ

一方でVCCの職員が気にしているのは、他の子ども達との小さな言い合いですぐに泣き出してしまう等、少し情緒不安定な面があるというところです。職員のサポートにより、少しずつ落ち着いてきた様子ですが、思春期になるに従って、心と体の変化が起こってきます。自分のアイデンティティについて考えたり、社会への疑問や反発が生まれてくる時期でもあります。こうした難しい時期であっても、出来る限りの細やかなケアをしたいとVCCの職員は話します。自立に向かって一歩ずつ歩みを進める子ども達にとって、VCCが少しでも拠り所となるよう、PWJは今後もサポートを続けていきます。
(報告:内藤みわ=事業部インターン)

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