過酷な状況下で生き抜く人びとのために -南スーダン緊急人道支援始動-
2013年12月中旬に発生し、現在まで続いている南スーダンの内乱は、停戦合意などを経て、現地の情勢は落ち着きを取り戻してきており、首都ジュバの治安も少しずつ安定に向かっています。
しかしながら、各地のキャンプは激戦地から逃れてきた避難民であふれており、とても不自由な生活を余儀なくされています。キャンプでは十分な水・食糧・住居はなく、医療サービスも整っていません。
戦闘から逃れたPWJ現地スタッフの2才になる娘が適切な医療を受けることができず、その尊い命を奪われたことは、私たちPWJ南スーダンチーム全員にとって、とても悲しい出来事でした。
写真:PWJの事業地の一つであるアユッド郡にある避難民キャンプ
こうした現状に対応するため、PWJチームは国外退避後も緊急支援の準備を着々と進めてきました。そして2月中旬より隣国ケニアの首都ナイロビに拠点を置き、日本人スタッフ2名が駐在して、国外から南スーダンに対する緊急支援を実施しています。
写真:ナイロビ事務所にて南スーダンチームの清水(左)、マニョック(中央)、長村(右)が再会
このような事業実施体制を取っているのは、現在の治安状況から、日本人スタッフが直接国内に入って支援活動を行うことが困難なためです。国内で避難民支援を行っているNGOと連携して、安全管理には細心の注意を払いながら、キャンプの避難民に緊急支援物資(水・食糧・毛布など)を配布したり、衛生環境を改善するための事業(ごみ回収・給水など)を実施しています。
事業の立案は、現地NGOとの間で現場の情報を共有し、共同で行います。日々の支援業務の実施については現地NGOに委託し、PWJ現地スタッフが定期的に現場に入り、配布状況を調査・確認します。この調査に当たっては、配布物資が難民のニーズに合っているかどうかを確認し、次の支援物資配布に活かすことを念頭に置いています。このプロジェクトは4月末まで実施を予定しており、その後調査を進めて、必要に応じて支援の継続を検討していきます。
武力紛争で真っ先に被害を受けるのは市民です。彼らが再び笑顔で生活を送れることが私たちの望みであり、それに向け支援していくことが私たちの使命と考えています。
一日でも早く彼らが元の生活に戻れるよう、PWJは今後も緊急支援を継続していきます。
報告:長村 裕(南スーダン事業担当)
※本支援は、ジャパン・プラットフォームからの助成や、皆さまからのご寄付により実施しています。