【東ティモール】生産者に苗木贈呈、コンポスト場作りも指導
2013年から行ってきたコーヒーの生産性向上事業の一環として、今年も2月に、コーヒー圃場リハビリテーション研修を受講した生産者を対象に、苗木の贈呈式を行いました。これまで行ってきた住民参加型の苗床作り研修を通じて、コーヒー圃場のリハビリテーションの重要性を認識した多くの生産者が式典に参加しました。
エルメラ県レテフォホ群オロパナ村での苗木贈呈式の様子
周囲に生えるのは、苗の栽培時に必要な日陰を作るためのシェードツリー
また、専門家の調査により、東ティモールの土壌は固いうえに肥料の三大栄養素の一つである窒素が欠乏しており、このままだと新植しても十分に根を伸ばすことが出来ず、健全な発育も望めないことが明らかになったことから土壌改良にも着手しました。PWJは2016年1月から脱肉後のコーヒーの果実(コーヒーチェリー)を使用するコンポスト場を作る取り組みも行っています。
上の写真は、コンポスト場作りの住民参加型ワークショップの様子です。これまでは圃場の近くの地面に、コーヒーチェリーの脱肉後の果肉部分だけを山状に盛って堆肥を作っていましたが、コンポスト場を活用することで、より効率的に質の良い堆肥が採取可能となります。
コンポスト場から液肥を採取することもできます。ここから採れた液肥は水で希釈してコーヒー圃場や自宅の野菜畑で使用することが可能で、「定期的にコンポスト場を使用し、より高品質なコーヒーを作っていきたい。液肥が野菜にも使えるというのは嬉しい」との声が参加者から聞かれました。
今後もまだ研修を実施していない集落で研修を行い、コーヒー圃場リハビリテーションを住民参加のもとで実施していく予定です。
報告:惠比澤 優紀(フェアトレード部・東ティモール現地事業責任者)
*本事業は、外務省「NGO連携無償資金協力事業」による資金や寄付金などにより実施しています。