【トルコ】地震から3ヵ月。ハタイ県タニシュマ村、マデンボユ村で地震被災者への物資配付
2月6日未明、マグニチュード7.8の大地震がトルコ南東部を襲ってから、5月6日で3ヵ月となりました。4月29日付のOCHA(国連人道問題調整事務所)の報告書によると、この大地震で約5万人が犠牲となり、10万7,000人が負傷。300万人が自宅に住むことができなくなり、160万人が避難所などでの暮らしを続けています。影響を受けた人はトルコ全土で910万人にのぼり、520万人が今も人道援助を必要としています。
こうしたなか、ピースウィンズはジャパン・プラットフォームからの資金援助を受けて、被害の最も大きかった地域のひとつであるトルコ南部のハタイ県のタニシュマ村とマデンボユ村で、食料品と生活用品を配付します。タニシュマ村ではすでに初回の配付を行い、マデンボユ村でも地元当局と配付手順について緊密な連絡をとりながら急ピッチで準備を進めています。
タニシュマ村の約8,000人、マデンボユ村の約4,500人の人口の多くが、地震から3ヵ月が経った今もテントや仮住まいでの暮らしを余儀なくされています。この中には地震の前にシリアから避難してきた人々や、地震後に他の被災地から移ってきた人たちも含まれています。長引く避難生活でさまざまな生活物資が不足しているのが現状です。
ピースウィンズでは、ふたつの村の村長らと協議の上、食料品と生活用品を届けることを決めました。タニシュマ村では、支援を必要とする世帯分ごとに分けたパッケージを各800セット、マデンボユ村では各700セット提供します。最初の荷物が届いたタニシュマ村では、集まってきた人々が支援物資を載せたトラックを待ち受け、子供たちも含めて物資を車から降ろして翌日の配布に備えて倉庫に収めるのを手伝ってくれました。
●この3ヵ月のピースウィンズの活動
トルコ史上最大級の被害を出した今回の大地震が起きた翌日の2月7日から、ピースウィンズはさまざまな支援活動を行ってきました。
ピースウィンズの運営する「空飛ぶ捜索医療団”ARROWS”」が、ガジアンテプ郊外の元職業訓練校で仮設診療所を開設。怪我をした人の手当に加えて、テント生活や避難所で体調を崩した人への診療や心のケアを行いました。また、別の緊急支援チームが地震発生の翌日から、水や食料、衛生用品などの支援物資の配付を始めました。
また、地震によって医師が他の地域に行ってしまって無医村となったタニシュマ村で、最初は青空診療、続いてテントの仮設診療所での診療、訪問診療も行い、その後、診療所を借りて3月末まで医療支援を行って、戻ってきた地元医師への引き継ぎを終えました。
トルコの人々が日常を取り戻すまでにはまだまだ多くの時間と支援が必要です。みなさまからの引き続きのご支援をよろしくお願いします。