
シリアSYRIA

シリアでの活動
2011年3月にシリア危機が起きてから現在に至るまで、私たちは現地提携団体とともに緊急人道支援を続けています。
現在、国外へ避難していた人びとが、少しずつ故郷に戻りはじめています。
シリアの人びとが再び安心して暮らせるように、ピースウィンズは支援活動をこれからも続けていきます。
シリアの基礎データ
- 大陸・エリア
- 国・地域
- 首都
- 面積
- 人口
- 言語
- 民族
- 宗教
シリアで解決したい課題を教えて!

2011年3月のシリア危機から14年以上経った今でも、緊急人道支援ニーズへの対応が継続して必要です。
長年続いていたアサド政権が2024年12月8日に崩壊し、2025年5月末までに約44万人のシリア人が周辺国から帰還するとともに、約120万人がシリア国内の避難先から故郷に戻りました。しかし、14年間にわたるシリア国内での人道危機や経済危機の影響で、帰還した後も食料を確保することは容易ではありません。また、シリア国内で避難生活を続けている人も未だ多くいます。
食料の値段は5年前と比べると10倍に値上がりしており、シリア全土の約55〜60%の人々が借金をして食料を買っています。また、生活が苦しいために多くの人びとが心理的な苦痛を抱えながら暮らしています。
ピースウィンズの活動を通して、改善されたことを教えて!

ピースウィンズは、食料を買うことができない貧しい人々に対して、食料パッケージや食料バウチャー(お店で食料品と交換できる券)を配ってきました。今年行った調査によると、バウチャーを受け取った98%の人々が「食料が買えない不安が一時的に減った」と答え、「自分と家族が最も必要としている食料を購入することができ、とても嬉しかった」との声が聞かれました。
また、2022年秋から心に苦痛を抱えている子どもや女性をサポートするためのワークショップを始めました。
子どもたちは絵を描いたり、人形劇を見たり、ファシリテータ―のお兄さんやお姉さんと話し合いながら、自分の気持ちと向き合ったり、問題が起こった時の対処法を考えます。ワークショップを通じて、友だちや家族との関係がより良いものに変化しています。
一方、女性たちは、ストレスを減らすためのリラックス方法や子どもとのポジティブなコミュニケーション方法、機織りやモザイクなどの手工芸を学ぶワークショップを受けています。多くの女性たちが、ワークショップを通じて、友情や自尊心を育み、より笑顔で日常を過ごせるようになったと答えてくれました。
今後活動を続けるにつれ、より改善できそうな所は?

2024年12月から2025年8月までは、女性や子ども向けの支援だけでなく、一人暮らしの高齢者を対象にしたワークショップも行いました。
シリアではかつて大家族で暮らすことがあたりまえだったのが、シリア危機や大地震の影響で、家族が亡くなったり、バラバラに避難したり、様々な理由で家族が一緒にいられない家庭が増えました。このような厳しい環境が、年長者を敬う習慣が廃れる一因ともなり、多くの高齢者が自分を大切にされていない、また自分は無力だと感じていることがあるとわかりました。そこで、高齢者たちがコミュニティの一員として尊厳をもって生きていかれるよう、また若い世代も高齢者に対する理解を深められるよう、研修や交流会などを開催し、地域全体が元気になることを目指しました。
また、2025年9月からは子どもの保護支援として、子どもに向けたレクリエーションや創作表現活動を通した心理社会的支援、子どもや大人に向けた暴力防止ワークショップに加え、経済的に不安定な家庭がビジネスを再スタートできるようにするための保護者に向けた生活再建支援を行っています。
このように、ピースウィンズは子ども、女性、高齢者と様々な層にアプローチすることで、故郷に帰還した人や未だ国内で避難生活を送っている人などシリア危機の影響を受けた人びとの必要に応えるとともに地域の安定を目指した支援を続けてまいります。
SUPPORTご支援のお願い
支援が必要な人々のために
できること
ピースウィンズは世界各地で起こる紛争や災害などの危機に
いち早く駆けつけ、危機にある命を支援します。
また、傷ついた命が自分たちの力で歩んでいけるよう、
復旧・復興・開発に寄り添います。