スリランカSRI LANKA
スリランカでの活動
26年続いた内戦が終結した2009年から、国内避難民に対する食糧支援や再定住に必要な仮設住宅等の提供を行いました。
2011年からは、内戦の影響を受けた地域において、緊急支援から復興・開発を目指し、内戦によって荒廃してしまった農業インフラの整備(農業用灌漑設備、精米所、牛舎などの修繕・建築)、有機農業の促進などによる農産物の高付加価値化など、主に農業を通じた生計向上支援を行っています。
また、弊団体が本部を置く神石高原町の有機農家を専門家としてスリランカへ招いた研修の実施や、スリランカから神石高原町へ農家や農業指導員を機農業技術研修ために招聘するなど、有機農業を通じた国際交流にも取り組んでいます。
スリランカの基礎データ
- 大陸・エリア
- 国・地域
- 首都
- 面積
- 人口
- 言語
- 民族
- 宗教
スリランカで解決したい課題を教えて!
26年続いた内戦の傷跡が今も残るスリランカの北部と東部では農業用貯水池が長期間にわたり放置されたため、その多くが修繕を必要としています。
しかし、現在スリランカ政府は財政破綻状態にあり、貯水池を修繕する予算がないために今もなお修繕されず放置されており、その結果、帰還民の多くは天水に依存した雨期の一期作により細々と生計を立てている状況に置かれています。
また、多くのスリランカの農家は、近年、化学肥料や農薬を多量に使用することにより「質」の農業ではなく「量」の農業を行っており、土壌の劣化、農薬による人体や環境への被害が出ていますが、これに対してスリランカ国は対策を講じていません。
さらに、経済危機の影響により農業化学資材が高騰し、小規模農家は作れば作るほど貧しくなり、また、日雇い労働も激減し一日1食しか食べられない家庭も増えており、子どもたちの栄養状態も悪化しています。
ピースウィンズの活動を通して、改善されたことを教えて!
2011年~2023年までにスリランカの東部州トリンコマリー県では60箇所の貯水池の修繕をその貯水池を所有する農民組合と共に行いました。
農業用貯水池の修繕によりジャングルに飲み込まれたり、砂漠のような状態だった農地で稲作を再開できるようになり、さらに雨季だけでなく乾季にも農業ができるようになりました。
我々の事業では農家がピースウィンズのエンジニアの指導のもと修繕工事を行うため、維持管理方法をOJTで学びます。このため、一般的に5年ほどで何らかの修繕が必要となると言われている貯水池ですが、事業終了後もすべて良好な状態を維持しています。
2019年以降は有機農業の普及に力を入れ、2023年5月までに133件の農家がスリランカの有機認証を取得することに成功しました。栽培された有機野菜は地元でも好評で、学校や病院、公共機関などで農家が直接販売したり、トリンコマリー市街地でも販売され、地産地消が実現しています。
2023年8月からは、地元で手に入る材料で肥料や自然農薬を作る方法や適切な栽培管理方法を広め、化学肥料や農薬の使用を減らすことにより、環境や土壌への負荷の軽減だけでなく、農家の支出も減らし、土地の疲弊の改善を進める循環型農業を広める事業を行っています。
今後活動を続けるにつれ、より改善できそうな所は?
多くの農家が会計簿を付けていないため、簡易会計簿のワークショップを実施して収入、支出、利益に関する知識を身に着けさせ、それぞれの家計の改善を行っていきたいと考えています。
内戦が長く続いた地域の若者に「平和」でイメージすることは何?と聞いたところ、「鳩」、「安心」、「ハーモニー」などの意見以外に「降伏」という言葉が返ってきて衝撃を受けました。内戦終了後、10年以上経過していますが、「どうせ私達は努力しても認められない…」という「諦め感」を持った人が多いように思います。
現在行っている「開発支援」では、まず「成功体験」をなるべく多く経験してもらえるように心がけ、人々の心に「本気になれば何だってできる!」という自信を取り戻してもらいたいです。
SUPPORTご支援のお願い
支援が必要な人々のために
できること
ピースウィンズは世界各地で起こる紛争や災害などの危機に
いち早く駆けつけ、危機にある命を支援します。
また、傷ついた命が自分たちの力で歩んでいけるよう、
復旧・復興・開発に寄り添います。