ACTIVITY
私たちの活動

イラクIRAQ

イラクでの活動

1996年の設立以来、イラク北部のクルド人自治区を拠点に、教育、シェルター(住まい)の改善、インフラ整備、医療、水衛生、保健衛生、社会福祉、生計支援など、多岐に渡る支援活動を行ってきました。隣国シリアの政情悪化を受けて、2012年からはシリア難民の支援も開始しました。

 

2014年からは、「イスラム国」の攻撃や戦闘を逃れ避難生活を送っている国内避難民や、「イスラム国」より奪還した地域に帰還し、生活再建を目指している帰還民の支援も行っています。2019年10月以降、トルコ軍のシリア北東部侵攻により新たにイラク北部へ避難してきたシリア難民に対する支援活動も加わりました。

 

長年の紛争の影響で、厳しい生活を強いられているシリア難民、国内避難民、帰還民、そして地域住民が尊厳のある生活を送られるように、様々な分野で大規模な支援活動を展開しています。

イラクの基礎データ

大陸・エリア
中東
国・地域
イラク共和国(Republic of Iraq)
首都
バグダッド
面積
約43.83万平方キロメートル(日本の約1.2倍)(2021年:CIA)
人口
約3,965万人(2021年:CIA)
言語
アラビア語、クルド語(共に公用語)他
民族
アラブ人(シーア派約6割、スンニ派約2割)、クルド人(約2割、多くはスンニ派)、トルクメン人、アッシリア人等(1987年:CIA)
宗教
イスラム教(スンニ派、シーア派)、キリスト教他

イラクで解決したい課題を教えて!

イラクには長年に渡り、さまざまな背景で難民、国内避難民になった人々がいます。

自治を求めた歴史の中で武力の脅威にさらされてきたクルドの人々や2003年のイラク戦争とその後の武装勢力拡大の中で攻撃を受けて故郷を離れ、国内外に避難することを余儀なくされた人々がいます。また隣国シリアの情勢悪化を受けてイラクに逃れてくるシリア難民も同様です。

一部地域での治安状況の改善を受け、元の居住地へ帰還する人も増えていますが、帰還を希望しても町の破壊状況や経済活動の不在により帰還が困難な人々が多くいる状況です。

過激派組織による支配からイラク第二の都市モスルが解放されて6年。モスル復興に国際的な注目が一時的に集まりましたが、課題が長期化する中で、支援の規模が縮小しています。また、それ以外の地域、特に多くの国内避難民およびシリア難民を抱えるクルド人自治区への支援の輪は限られています。

あらゆる分野での支援を必要としているなか、ピースウィンズでは彼らの生活を支える環境の整備や、職業訓練などの提供を通した生計能力向上に重点を置いて課題解決に取り組んでいきます。

ニナワ州シンジャール郡で帰還民を対象に実施している職業訓練:施工技術を学ぶ受講生
国内避難民対象の職業訓練(美容・整髪技術コース)でヘアカラー技術を学ぶ受講生

    ピースウィンズの活動を通して、改善されたことを教えて!

    1996年設立以来、クルド人自治区3州そしてバグダッド州、キルクーク州、ディアラ州、ニナワ州において、延べ1,150万人 (2023年11月現在)に、水衛生、教育、シェルター(住まい)の改善、インフラ整備、医療、保健衛生、社会福祉、生計支援など多岐に渡る活動を大規模に展開してきました。

    近年では、シリア内戦の戦禍を逃れ、イラク北部に避難してきたシリア難民に対し、2012年よりクルド人自治区3州のシリア難民キャンプを中心に、食糧・生活物資・衛生用品の配布や雇用機会の提供、キャンプ設営から仮設校舎建設・インフラ改善を含むキャンプ整備、保健衛生、学校保健などの支援活動を実施してきました。

    2014年からは過激派組織の攻撃や戦闘を逃れ避難生活を送っている国内避難民に対し、生活物資配布、衛生施設の設置・維持管理、キャンプ整備、仮設校舎建設、職業訓練などの支援を行いました。

    過激派組織から奪還した地域に帰還し、生活再建を目指している帰還民に対しては、戦闘で破壊された住居の修繕や水衛生・電気インフラの整備、職業訓練の提供による生計能力向上支援を実施しています。

    2007年から約3年半の歳月をかけて建設したハラブジャ母子保健病院(写真:病院建物横から中庭を望む)。産婦人科・小児科の地域随一の病院として高く評価されています。
    ドホーク州で2014年に実施したシリア難民キャンプのシェルター建設の様子

      今後活動を続けるにつれ、より改善できそうな所は?

      クルド人自治区のシリア難民キャンプで建設した仮設校舎の校庭で遊ぶ子どもたち

      今もなお、イラクには約115.7万人の国内避難民、約27万人のシリア難民が避難生活を続け、支援を必要としています。また、さまざまな理由で避難先から帰還した約484万人の帰還民も、生活環境が整わず、課題を抱えています。

      課題が長期化し、国際社会からの支援がますます減少する中で、イラクでは持続的解決策(Durable Solution)に向けた計画の中で、地域毎の開発・人道アクターと現地政府が連携し、復興・開発にむけて相互的補完を行っていくことが重視されています。

      ピースウィンズがイラクで現在重点を置いている生活環境の整備と生計能力向上支援の複数分野での活動を続けることで、国内避難民・シリア難民・帰還民の持続的解決策(Durable Solution)の実現に向け、中長期での相乗効果の発現が期待でき、より大きく貢献することができると考えています。

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      ピースウィンズは世界各地で起こる紛争や災害などの危機に
      いち早く駆けつけ、危機にある命を支援します。
      また、傷ついた命が自分たちの力で歩んでいけるよう、
      復旧・復興・開発に寄り添います。

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